KEI.'s blog

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そのトレーニングは本当にトレーニングか?それとも...? - トレーニングの原理原則 -

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11月に入り1週間がたちました。

数週間前までは半袖短パンでいることもありましたがもう無理です寒いですKEI.(@DoKei56) です。

 

さて、今回はトレーニングの原理原則についての話です。

 

どんなものにも原理原則があるように、もちろんトレーニングにも原理原則があります。

過去記事で書いたようにトレーニングは生理学であり、トレーニング効果は身体がトレーニングによる刺激へ適応することで現れます。

 

より効果的にトレーニング効果を得るためには、今回紹介する8つの原理原則を考える必要があります。

もしかしたら今現在行っているトレーニングは、トレーニングとは言えないかもしれません。

 

 

トレーニングの3原則

トレーニングには3つの原理と5つの原則が存在します。

 

ちなみに「原理」とは、基となる理論や理屈のことで(これをするとこういうことがおきますよ、というような)、

「原則」とは、原理に基づいたルールや決まりのこと(これはこういうふうに行いましょう、といったような)です。

 

1.過負荷(オーバーロード)の原理

過負荷の原理とは、トレーニングは身体に一定レベル以上の負荷かけなければならない、といった原理です。

なぜなら先ほども書いたように、トレーニングとは身体を刺激に対して適応させていくもの、だからです。

その刺激自体が小さいものであったら、身体はそこに適応する必要がないため、トレーニングの効果は現われません。

 

一定レベルとはその人によって異なり、例えば普段あまり運動を行わない人にとっては腕立て伏せ10回というトレーニングでも過負荷となりますが、十分にトレーニングを積んできたアスリートにとっては負荷が低すぎるため過負荷とはなり得ないでしょう。

 

またこの過負荷とは何も筋肉への負荷やエネルギー代謝機構への負荷など「きついこと」だけではなく、競技の技術練習等の神経系の面でも当てはまります。

自分ができること以上のことを行わなければ、向上しないということです。

2.可逆性の原理

トレーニング効果は一度身体に現れたらずっと残るわけではありません。

そのトレーニングをやめれば、だんだんと能力は低下していきます。

 

1か月トレーニングを怠っただけで能力がガクッと低下してしまうような、誰しも経験したことのある現象のことを表しています。

そのため、トレーニングは継続して行っていかなければならないのです。

3.特異性の原理

身体は、与えられた刺激に対して特異的に適応する、といった原理です。

英語では、SAID(Specific Adaptation to Imposed Demands)と言われる、トレーニングを行うにあたって非常に重要な原理です。

 

例えば、大殿筋の筋力向上を目的としたトレーニングを行えば大殿筋の筋力向上は起こりますが、大胸筋の筋力向上は起こりません。

また、競技練習においても、サッカーで、相手がいる状況下でのパフォーマンスを高めたければ、そのような状況でトレーニングを行わなければならない、というのもこの原理によるものです。

 

トレーニングの5原則

1.全面性の原則

ある一定の能力の向上だけを狙うのではなく、様々な能力をまんべんなくトレーングしよう、といった原則です。

例えば、より速く走ることを目的とする場合、トレーニングの狙いの一つとしてハムストリングの筋力向上を設定したとします。

しかし、この時にそれだけを行うのではなく、その他の筋のトレーニングであったり、技術面のトレーニングも行わなければ臨んだ効果が出ないばかりか傷害発生のリスクも高まります。

 

もちろんトレーニングを行う必要のないこともあるので必ずしもすべての部位、能力をトレーニングしろ、というわけではないです。

偏りすぎるなってことです。

 

2.意識性の原則

トレーニングを行う際に、そのトレーニングは何を目的としており、今何をしているのかを理解し、またそのトレーニングに対して積極的な意識(モチベーション、身体感覚など)を向ける、といった原則です。

同じトレーニングを行ったとしても、ここの質の差がトレーニング効果の差となって現われます。

3.漸進性の原則

トレーニングの原理の項で、過負荷の原理を書きました。

今現在、その負荷が過負荷となっていたとしても、トレーニングを継続していくことで能力が向上していくため、そのうち負荷が相対的に低くなってしまいます。

そうならないためにトレーニングの負荷は少しずつ増加させていかなければなりません。

それを漸進性の原則といいます。

4.反復性の原則

トレーニングは、継続・反復していくことで効果が現れる、という原則です。

一度だけトレーニングしたからといって効果が現れるわけではありません。

長期的に反復して行っていくことが必要です。

5.個別性の原則

トレーニングはそれを行う個人に合わせて設定して行う必要がある、といった原則です。

例えば、スプリントの速度を高める、といった目的をた精するトレーニングを行うとします。

 

しかしA選手は筋力的な面に課題があり、

B選手には技術面に課題があり、

C選手にはA選手とは別の部位の筋力に課題があるかもしれません。

 

このようにその人によって課題や必要なことが異なるため、個人個人に合わせたトレーニングが必要となるのです。

それはパフォーマンスの向上とともに、傷害の予防という面においても重要です。

 

「これをやればだれでも足が速くなる!」なんてトレーニングは存在しません。

 

それは本当にトレーニングか?それともただの運動か?

ここまでに

・過負荷の原理

・可逆性の原理

・特異性の原理

・全面性の原則

・意識性の原則

・漸進性の原則

・反復性の原則

・個別性の原則

の8つの原理原則を書きました。

 

トレーニングを行う目的は、自分の目的とする能力を向上させることです。

それによって競技パフォーマンスが向上したり、傷害予防につながったり、身体の見た目がかっこよくなったりします。

それには原理原則に基づいて、適した負荷で、適した方法で、そして継続してトレーニングを行っていかなければなりません。

 

よくあるのは、

・全く同じトレーニングを同じ負荷でずっと続けていく

・身体的に十分な刺激となる負荷以下のトレーニングを行っている

などです。

 

それは本当にトレーニングなのでしょうか?

刺激・負荷が十分でなかったり、それが段階的に上がっていかないようであればそれはトレーニングではなくただの運動です。

夏休みの朝のラジオ体操と同じです。

 

まとめ

今回はトレーニングの原理原則について書きました。

基本的な部分ですが、考えてみれば非常に大事なもので、どこかが抜け落ちるだけでトレーニングの質はグッと下がってしまいます。

 

ぜひ、現在行っているトレーニングを考え直すきっかけにしてみてください。

 

結論

でも負荷を増やすのと量を増やすのはまた別の話だよ。

20代大学生! 将来スポーツ界で生きていくこと、 運動で日本中の人達を豊かにすること目標に勉強中。。。