こんにちは。
KEI.です。
スクワットやランジのようなトレーニングエクササイズやプライオメトリクスといった方法は、それ自体に名前や目的、効果がつけられており、またそれらは科学的根拠をもとにしています。
それは非常に重要なことですが、それだけでなく様々な視点からトレーニングを考える音が必要だと感じています。
トレーニング
トレーニングという言葉は、トレーニングエクササイズを行うことそのものを指していたり、筋力や持久力といった一つの要素を鍛えることを指す言葉として使われることが多いですが(ウェイトトレーニングを行うことをトレーニングと呼ぶ、など)、本来は、
「スポーツの達成力を具体的な目標に向かって計画的に発達させることをめざした、複合的な行為の過程」(スポーツ科学辞典)
とされるように、競技力向上のための行為全てを包括した言葉です。
トレーニングエクササイズの選択
現在様々なトレーニングエクササイズが存在しています。
そしてそれぞれのエクササイズに対して、先にかいたように、これはこういう効果があります、ということが研究とうによって解明されています。
例えばスクワットは全身運動を通して下肢筋力(大殿筋、大腿四頭筋など)を向上させることを目的としたエクササイズで、メディシンボールスローは、全身の爆発的パワーを向上させることを目的としている、などのようにです。
そしてそれは科学的にも根拠付けられ、間違いではないことが数値として証明されています。
それによって、選手や指導者は目的にあわせて、明確な根拠を持って実践·指導が可能となります。
「~~という目的のためには大殿筋の筋力と下肢で爆発的なパワーを発揮することが求められる。そのためにスクワットを取り入れよう。」
というように。
そもそもの運動は
ある運動が、トレーニングエクササイズとして定義されることは、トレーニングの効率をあげていくことに+の影響を与えますが、それがトレーニングエクササイズである前に一つの運動である、という考えを持っておかなければなりません。
スクワットは、先述したように下肢筋力を向上させるストレングストレーニング(筋力トレーニング)の1エクササイズとされていますが、エクササイズという枠から離れてみれば、しゃがみこみ運動です。
少しそれっぽい言葉で表現すれば、
「立位股関節膝関節および足関節屈曲伸展運動」
「下肢3関節屈曲伸展運動」
と表現することも本来は間違っていないはずです。
それを、目的をつけて、名前をつけて、さらにより効果的なものとするためにフォームが改良されました。
しゃがみこみ運動からスクワットというエクササイズに変化したわけです。
目的から「運動」を選択する
そう考えると、目的にあわせてトレーニングエクササイズを選択すると考えるよりも、目的に合わせた運動を選択すると考えた方がいい場合は結構あるのではないでしょうか?
例えば、サッカーで
「数メートル前方のボールをコントロールしようとするとき、脚だけを伸ばしてコントロールしようとしてしまうために、ファーストタッチがうまくいかないorその後のプレーでバランスを崩してしまう。」
(これは結構あるあるで、こういうプレーをすると、あいつは身体が動かない、といわれたりします)
こんな感じを
↓
こんな感じにしたい(図はイメージです)
といった課題にに対してトレーニングを行う場合、この現象を、
「片足で股関節の伸展動作ができていない。また上半身が後方に残ってしまっているのはコアが安定していないからだ。股関節の柔軟性も不足している。」
ととらえて、殿筋を鍛えるスクワットやリバースランジ、それとコアを安定させるためのコアトレーニングを行う、と考えたとします。
これは、現象の要因を分解して考え、それの課題解決をトレーニングエクササイズを使って行う、といった思考から成り立つものだと考えられます。
これで解決できればそれでいいですが、別の視点から考えてみるとどうでしょう。
上記をそもそもの運動から考えてみたときに、例えば以下のような運動を選択してみる、というのもひとつではないかと考えます。
これはバウンディングというやつですね。
水平方向(前方)への爆発的なパワー発揮やストライドの向上のために行われるトレーニングエクササイズです。
直線のスプリント能力を向上させることが目的です。
しかしこれを、
「身体重心を前方へ素早く大きく移動させる運動」
といった感じでとらえてみるとどうでししょう。バウンディングではなく、です。
上記の課題は、身体重心が後方に残ったまま、脚だけを伸ばそうとする事が問題だと考えられます。
とすれば、重心ごと大きく前方へ移動する運動を行うことで、その感覚が転移する可能性は十分に考えられます。
そのための運動が、結果的にバウンディングのような運動であったのです。
またそれに付随して、この運動では、前方への爆発的なパワー発揮も行っているためスプリント能力向上にもつながる可能性が高いのではないでしょうか。
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というような考え方はどうですか?
以上のような考え方は、何もこれだけではなく、多くのシチュエーションで考えられるのではないでしょうか。
ジャンプにしろ、減速動作にしろ、目的とするパフォーマンスがはっきりしていれば、「ではそれを向上させるためにはどんな運動が必要なのだろうか?」という視点から考えることができるはずです。
まとめ
トレーニングエクササイズとして存在するものは、これまでの科学的知見や多くの人の経験を元に形成されたものです。
それを活用せずに0から独自の考えを展開してしまっては、そんな無駄なことはないです。
ただやはり、「この目的達成のためには~が必要だ。このエクササイズは~を向上させる効果があるからこれを使おう」といった考えだけでは解決できない、あるいは効果的でない場合もあります。
これまで蓄積された情報を活用しつつ、目的とするパフォーマンスはそもそもどんな運動で、目的達成のためにはどんな運動が必要かという視点から考えていくことも大切です。
筋力やパワーを向上させることが重要なことは間違いないです。
しかしトレーニングは包括的かつ全体的な行為です。
そのうえでこんな考え方もうまく活用していければなあと思っています。