こんにちは。
専門学生となりましたKEI. (@DoKei56)です。
今回は、トレーニングの強度に関して書いていきます。
「強度」と「量」
トレーニング(競技トレーニング、フィジカルトレーニングともに)を行うときに重要となる要素の一つとして「トレーニングの強度」が挙げられます。
ほとんどのスポーツでは、能力の向上を目指すには、高い強度のトレーニングを行う必要があります。
持久系トレーニングの場合、競技によって運動強度を変える必要がありますし、同じ競技でも、持久系能力の中でもどのような能力を向上させたいかによって強度を変化させます。
筋力トレーニングでも、筋を肥大させたいのか、最大筋力を向上させたいのかなどによって強度を変えていきます。この場合は挙上重量や挙上速度であったり、運動様式を変化させていくのが一般的でしょう。
また、トレーニングの強度を考えるとき、同時に「トレーニングの量」も考える必要が出てきます。
なぜなら、トレーニングの強度と量は基本的にはトレードオフの関係になるからです。
低い強度のトレーニングであれば、多くの量(時間・回数・距離など)を行うことができますが、強度が高くなるほどトレーニングによる疲労や集中力などの消耗度が高くなるため、量を少なくする必要が出てきます。
例えば「走る」という運動を考えたときに、強度が高いのは①100m走のような高速度でのスプリントであり、強度が低いのは②1500m走のような低速度でのランニングです。
①のような高い強度で1500mを走ることは不可能ですし、逆に②速度で100mだけ、もしくは10数秒だけ走ったとしてもトレーニングとして成立しません。
それぞれの運動に適した強度(速度)と量(距離・時間)で行う必要があります。
強度の重要性
先に書いたように、ウェイトトレーニングであれば、強度は挙上重量や挙上速度で変化します。走という運動では、走速度です。
この「強度」を高めることは、筋力や持久力といった体力要素を向上させていくうえで重要です。
「過負荷の原理」があるように、トレーニング効果を得るためには、高い負荷をかけていく必要があります。
たとえシーズン中でも強度は高めていく
シーズンスポーツでは毎週末に試合が行われ、それが数ヶ月続きます。
このときに、疲労を考慮して、「シーズン中はオフシーズンに比べトレーニング強度を下げていく」と考える人もいると思われますが、それではシーズンが終盤に近付くに従いコンディションは低下してしまいます。
シーズン中であってもトレーニングの強度は高めていく必要があるのです。
では、疲労に対してどう対処するか、というとここで「量」をコントロールする必要が出てきます。
筑波大学の後輩 で野球部の学生トレーナーが(@tkb_med_bb) がウェイトトレーニングをテーマに
「シーズン中のトレーニング強度と量」
関してまとめています↓
ここでまとめられているように、
強度(ウェイトトレーニングでいえば重量)をキープ、もしくは向上させていきつつ、量(回数、トレーニング頻度など)を減らすことで、疲労を考慮しつつ能力を維持向上させることが可能です。
特にシーズン中、疲労を理由にやめてしまうことがあるかもしれませんが、それだとトータルで見たときに、また将来的なものを見た時にもったいないです。
やるorやらないではなく、強度はそのままでちょっとだけやる、みたいな考えが必要ですね。
トレーニングの強度に注目し、シーズン中も強度を向上させていくという考え方は、過去にも取り上げた レイモンド・フェルハイエン氏の「サッカーのピリオダイゼーション」でもキーポイントとなっています。
逆に量を増やして、強度を下げていくと起こりうるデメリットがありますが、
これは次の機会にまとめたいと思います。
まとめ
今回は、トレーニングの強度と量という二つの要素にしか触れていません。
実際には、トレーニングの「質」が最重要なわけで(トレーニングの質は強度だけでなく、トレーニングメニューや心理的な面など様々な要素が関係しあいます)、「質の高いトレーニングを自分が可能な限り行っていく」のがアスリートには求められるでしょう。
しかしどんなに集中力をもって、どんなに良いトレーニングをしても、やはり強度が伴わないとパフォーマンスは思ったように向上しない、あるいは低下してしまうでしょう。
楽なことして、もしくはたくさんやったからといって強くなれるほど甘くないわけですね。