KEI.'s blog

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大臀筋のトレーニングにはスクワットかヒップスラストか?

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こんにちは。

KEI.です!

 

スポーツの現場では何かにつけてとケツを鍛えろと言われます。

トレーニング法はたくさんあり、各々が目的に合わせて選択しています。

また「ヒップアップ」という言葉がよく聞かれるように、アスリートでなくともお尻をトレーニングしている人は多いです。

 

今回はその方法の一つとして「ヒップスラスト」を紹介したいと思います。

 

 

ケツを鍛える

臀部をトレーニングする上で有名なものに、スクワットやデッドリフトがあります。

これらのトレーニングは、アスリートから一般の方まで多くの人行っているトレーニングです。

しかし、完璧ではありません。

 

スクワットやデッドリフトは素晴らしい全身運動です。

しかしそれがゆえにトレーニングに制限がかかる場合があります。

バーベルを担ぐ・持つ状態で行う場合、大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリングといった筋へ十分な刺激を与えられる前に、体幹部の筋力不足によってそれ以上トレーニングを継続できない・トレーニングの負荷を上げられないといった場合です。

(その他の例として:体幹部の筋力不足によってトレーニングに制限がかかる例として、レッグプレスのほうがスクワットよりも高重量を扱える、など。)

 

また、スクワットでは、どうしても大臀筋よりも大腿四頭筋への負荷が高くなってしまいます。

デッドリフトではハムストリングへの負荷が高くなります。

大殿筋をトレーニングしたいという場合には最大の効果を得ることはできません。

 

そこでそれをカバーするための方法として、ヒップスラストというトレーニングです。

 

ヒップスラスト 

ヒップスラストの特徴は、その他のトレーニングに比べ、大臀筋への負荷を高めることができる点にあります。

 

方法は以下のリンク動画で確認してください↓


ヒップスラストのやり方とバーベルの持ちあげ方【大殿筋を鍛えてヒップアップ】

 

特徴として

・臀部への負荷を高めることができる。

・体幹部の筋力不足などによる制限が少ない。

・スクワット等の運動に比べて安全である。

・膝を曲げた状態で行うため、ハムストリングが動員されづらく、より大殿筋をトレーニングできる。

 という点があげられます。

 

メイン種目としてはもちろん、スクワット、デッドリフト等のトレーニングの後に補助エクササイズとして導入することもできます。

 

ヒップアップのために

ヒップスラストはアスリートでなくとも取り入れることで高い効果を得られます。

例えば女性がダイエットやヒップアップを目指すときに、選択するエクササイズとしてスクワットがありますが、

「ももの前はあまりトレーニングしたくない!」

と考える人も多いと思います。

 

先に書いたように、ヒップスラストは大腿四頭筋やハムストリングの活動を抑えながら大殿筋をトレーニングできます。

そのため、もしもヒップアップを目指す場合には、スクワットだけではなくヒップスラストも選択肢の一つとして考えてみるといいかと思います。

 

スクワットvsヒップスラスト

「ヒップスラストが大殿筋のトレーニングに効果的だからって、スクワットには勝てないでしょう!スクワットやってたほうがいいよ!」

という方のために一つの論文を紹介します。

 

水平方向への力発揮

ヒップスラストが有効なトレーニングかの一つの知見として以下の論文があります↓

(Journal of Strength&Conditioning Research 2016年5月掲載)

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

これは以下の記事で取り上げられている論文です。

論文がポスター形式でまとめられていて非常にわかりやすいです。

(Yann Le Meur という方のサイトトップページ)

ylmsportscience.blogspot.jp

 

この研究では、フロントスクワットを行う群とヒップスラストを行う群に分けてそれぞれトレーニングしました。

フロントスクワットは垂直方向(vertical)への力発揮ヒップスラストは水平方向(horizontal)への力を発揮するトレーニングです。

(ここでいう方向は立位の状態に対しての方向です。ヒップスラストもウェイトは垂直方向に持ち上げていますが、体に対しては水平方向に力を発揮しています。)

 

6週間のトレーニングの前後に

・垂直跳び

・立ち幅跳び

・10m走

・20m走

・フロントスクワットとヒップスラストの3RMの測定

isometric mid-thigh pull

を測定しました。

 

この結果、フロントスクワットを行った群では

主に、垂直跳び、フロントスクワットの3RMがより向上し、

ヒップスラストを行った群では

主に、立ち幅跳び、10m、20m走のタイム、ヒップスラストの3RMが向上しました。

 

つまりフロントスクワットでは垂直方向へのパフォーマンス(垂直跳び)、

ヒップスラストでは水平方向へのパフォーマンス(立ち幅跳び、10m、20m走)に対して効果が表れました。

 

単に大殿筋をトレーニングするというだけでなく、運動の力の方向(force vector)という点からも、トレーニング効果を考えることができる可能性があります。

 

まとめ

今回はヒップスラストについて書きました。

大殿筋を重点的にトレーニングできるということの他に、立位で行うのが難しい、水平方向への力の発揮をトレーニングできるという点でも優れたエクササイズです。

 

下半身のトレーニング=スクワット、デッドリフト、ランジ etc...

となっている人はトレーニングの選択肢としてぜひ活用してみてください。

 

 

結論

胸よりお尻派。

 

 

参考文献

Effects of a six-week hip thrust versus front squat resistance training program on performance in adolescent males: A randomized-controlled trial. - PubMed - NCBI

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