KEI.'s blog

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レスリング吉田沙保里選手の握力は20kgしかないんだぜ。

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こんにちは。

KEIです!

 

今これを書き始めたタイミング、ジョブチューンというテレビ番組でオリンピック選手に関するSPをやっていました。

 

その中で出演している吉田沙保里選手。

 

なんと左手の握力は20kgしかない(利き手は右で40kgくらいらしい)と本人が語っています。同年代女性の平均は29kgらしいです。

これは小学校高学年の女子の平均と同じくらいです。

 

また腹筋もほとんどできず、一般女性以下だと本人が語っていました。

 

プロスポーツ選手がアスリートだとは限らない

これを聞いて感じたことは、

 

「スポーツ選手がアスリートである必要はない。」

 

ということです。

ここではアスリートとは、身体能力に優れ運動能力がずば抜けた存在、といったニュアンスで使っています。

アスリートの類義語として英語でathleticという言葉がありますが、そのようなイメージです。

 

athletic【形】
 1. 運動競技選手の、体育の、運動選手らしい、運動神経が発達した
 2. 壮健な、強健な、筋骨たくましい

 

吉田沙保里選手といえば、レスリング53kg級に君臨する(昔は55kg級)女子レスリング選手です。

今回のリオオリンピックでは惜しくも2位でしたが、それまではアテネオリンピックから3大会連続金メダルを獲得しています。

 

その吉田選手、逆手とはいえ握力は20kgです。

腹筋もほとんどできません。

これでは身体能力に優れ運動能力がとびぬけた=アスリートとするには少しひっかかりますね。。。

でもレスリングの世界では金メダリストです。

 

なぜならこの能力がレスリングでは重要ではないからでしょう。

 


Yoshida wins Gold - Women's Freestyle 55kg | London 2012 Olympics

2012ロンドンオリンピック決勝

 

こんなに激しい競技であっても強く相手をつかむ必要はないため強い握力がなくても闘えます。

また、ほとんどが上体を大きく前に倒した構えで競技が進むので、腹筋運動のような運動で必要な筋力は必要ないのではないでしょうか。

 

例えばこれが柔道であれば握力は非常に大きな要素の一つとなるでしょう。

上体起こし世界大会があれば吉田選手は全く勝てないかもしれません。

 

重要なのは、目的達成のために必要となる能力です。

世界一になるには身体能力が霊長類最強である必要はないのです。

 

ゴールからの逆算

吉田選手が握力や腹筋という要素をトレーニングしなかったのは、それがご自身のゴールにつながらないと判断したから、のはずです。

 

ゴールとはもちろん、レスリングで勝つこと、ないし、世界一になることでしょう。

 

ゴールからの逆算とはほぼすべての分野でいわれることですが、もしも逆算ができていなかったとしたら、目的もなく

「握力が弱いから握力を鍛えよう。あと腹筋もできないからもっと強くしないと。」

という考えが浮かんでしまう可能性もあるのです。

 

トレーニングは方法・手段でしかない

トレーニングは目的ではありません。

 

ゴールがあって、その方法があり、その手段の一つとしてトレーニングがあります。

それがわかっていないと、トレーニングが目的になってしまいます。

極端な例を挙げれば、サッカーでFWの選手がヘディングのクリアが下手だからとそればかり練習していたとしたらそれはトレーニングが目的になってしまっているといえるでしょう。

 

今年は野球界で筋力トレーニングの話題が多く飛び交いました。

その中心にいるのがダルビッシュ選手イチロー選手でした。

 

2人のトレーニングに関する考え方は異なります。

 

しかし目的はパフォーマンスの向上であり、野球で勝つことです。

そこに違いはおそらくないでしょう。

 

ただ吉田選手に握力が必要ないように、ダルビッシュ選手とイチロー選手も必要なものが違うため、そのような考え方の違いが生まれるのです。

 

あくまでトレーニングは方法・手段であって目的ではありません。

 

まとめ

吉田選手の話からトレーニングについて書きました。

この話題はまた書きたいと思うので近いうちに書こうと思います。

 

ありがとうございました。

20代大学生! 将来スポーツ界で生きていくこと、 運動で日本中の人達を豊かにすること目標に勉強中。。。