こんにちは。
KEIです!
前回、ホグレルに関する記事で、動的ストレッチという言葉を使いました。↓
過去記事
ホグレルスペース八丁堀店でトレーニングマシン「ホグレル」を体験してきたので感想を書きますよ。 - KEI.'s Sports & Training
動的ストレッチがあればもちろん静的ストレッチがあるわけで、一般的にストレッチと言われた時に思い浮かぶのはこの静的ストレッチの方だと思います。
この2つは目的に合わせて使い分けることが大切です。
もう一つ一般的にはあまり知られていないであろうストレッチがあります。
それがPNFストレッチです。
今回はそんなストレッチに関して書いていきます。
ストレッチとは?
ストレッチとは、筋肉を伸張(伸ばす)させることで、筋肉の柔軟性を向上させ関節可動域を広げることを目的に行います。
習慣としてお風呂上りに行っている人も多いでしょう。
アスリートにも多くの場面で用いられ、ウォーミングアップやクールダウンでほとんどの選手が行っていると思います。
ひとくくりにストレッチと言っても、いくつか種類があるので、紹介していきます。
静的ストレッチ
静的ストレッチは一般的にイメージされるストレッチの種類でしょう。
反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばしていきます。
大体10秒から20秒続けると効果が表れます。
60秒ほど持続して行うと最も効果が表れ、かつ柔軟性獲得の持続時間が長くなります。
ただ長い時間行うとその後しばらくの間、筋力低下が起こるので注意が必要です。
筋肉は温度によって柔軟性が変わり、温度が高いほどより高い柔軟性が表れます。
そのため静的ストレッチは、すでに筋温が高くなっている運動後や入浴後に行うのが効果的です。
副交感神経を優位に働かせる効果もあるため、クールダウンや就寝前に行うとよいでしょう。
動的ストレッチ
動的ストレッチとは、
主動筋を収縮させながら行うストレッチです。
専門用語を使うと、
相反抑制支配を利用したストレッチと言えます。
相反抑制支配
例えば、手のひらを上に向けた状態で肘を曲げる運動をするとします。
この時、上腕二頭筋が主動筋となり収縮します。(力こぶとなる筋肉)
この時の拮抗筋は上腕三頭筋(肘を伸ばす筋肉)です。
上腕二頭筋が収縮する際、上腕三頭筋は自然と弛緩(緩む)し伸ばされます。
この仕組みを相反抑制支配と言います。
これによって運動をスムーズに行うことができるのです。
もしも相反抑制が働かなければ、肘を曲げようとした時に、同時に肘を伸ばそうとする筋肉が働いてしまい運動が行えない、といったことが起こる可能性があります。
相反抑制を利用して行う動的ストレッチ
人が運動する際には、この相反抑制を利用してスムーズな動きを生み出しています。
「今は膝を伸ばすから、膝を曲げる筋肉たちは少し休んでてね。あ、今度は曲げるから逆で!」
ということを一瞬で連続して行っているわけです。
動的ストレッチでは、主動筋を収縮させると拮抗筋が緩むという相反抑制をうまく使って、筋肉を伸ばしていきます。
例えばこのジャックナイフストレッチは、大腿四頭筋を収縮させながらハムストリングをストレッチしています。
これは動的ストレッチです。
よくある勘違いとして、反動をつけて大きく動かすのが動的ストレッチだ、というものがあります。
そうではなく、あくまで主動筋を収縮させながら、というのがポイントで、大きく反動をつけながら動くのはその結果の話です。
ただ勢いと反動をつけて行うのはこの後説明するバリスティックストレッチにあたります。
特徴
交感神経が刺激され、心拍数の増加、血流の増加、またそれに伴う筋温の上昇が起こるという特徴があります。
このような効果があるため、スポーツのウォーミングアップでは動的ストレッチが適していると言われているのです。
逆にクールダウンでは、心拍数や筋温を下げることや神経系の興奮を抑えることが目的となるので、静的ストレッチが適していると言えます。*
(*クールダウンとしてのストレッチの効果ははっきりとはしていない)
バリスティックストレッチとの違い
動的ストレッチを体を動かしながら行うストレッチだと考えてしまうと、このバリスティックストレッチと混同してしまう可能性があります。
動的ストレッチとの違いは、ストレッチしたい筋肉の拮抗筋を収縮させているか否かというところにあります。
バリスティックストレッチとは反動を使って筋肉をストレッチする方法です。
立ったまま前屈をして反動をつけてハムストリングスをストレッチしている光景を見たことある人は多いでしょう。
これは重力を使ってストレッチをしており、拮抗筋は働いていません。
また足を前方に大きく振り上げるストレッチも、多くの場合振り切った時には拮抗筋に力は入っていないため、バリスティックストレッチにあたります。
それがバリスティックストレッチです。
これは筋が急激に伸ばされることから、傷害のリスクが高い言われています。
特に筋肉系のトラブルを抱えている場合は行ってはいけません。
また急に筋が伸ばされてしまうことで、伸張反射を引き起こしてしまい、柔軟性向上の効果はあまり起こらないと言われています。
そのため、活用するとしたら、それ以前のウォームアップで関節可動域が広がっている、筋温・体温が上がっているという状態になってからです。
PNFストレッチ
これは知らない人も多いかもそれません。
PNFとは
"Proprioceptive Neuromuscular Facilitating"
のことで日本語では固有受容性神経促進法と言います。
このPNFを利用したストレッチがPNFストレッチです。
PNFとは?
もともとは後遺症として身体に麻痺が残ってしまった方への機能回復訓練の一つとして用いられていた方法です。
詳細に説明するのは難しいので、ここでは
「固有受容器(筋紡錘やゴルジ腱器官など)を刺激し、神経ー筋の反応を促す方法。」
と簡単に説明しておきます。
方法
例えばハムストリングスを対象にPNFストレッチを行うとします。
方法として、ホールドリラックスとコントラクトリラックスという2つの方法があるので、順番に紹介していきます。
ホールド・リラックス
基本的には2人1組で行います。
下の図のように仰向けで行う場合、この時に押されている方向に対して押し返すようにグーっと力を入れます。
関節が動かない位置で力を発揮し続け(アイソメトリック)、6秒ほど経過したら力を抜き、さらに大きな角度で静的ストレッチを10~20秒ほど行います。
これを数回繰り返すと関節可動域か広がっていくので、最大の効果が得られたところまでいったら終了します。
コントラクト・リラックス
ストレッチをかけてもらい、数秒間アイソメトリックの筋発揮を行うところまでは同じです。
ホールド・リラックスとの違いは、ここからさらに可動域を広げる際に、補助を受けながら自分でも拮抗筋を収縮させるということにあります。
ゴルジ腱器官
ゴルジ腱器官は腱に存在する受容器であり、筋肉が急に伸ばされたときに、限界以上に伸びないように筋を収縮させる反射(伸張反射)をおこす器官です。
これによって不意に筋肉が切れてしまうことを防いでいます。
しかし、一定時間筋を収縮させつずけると逆に筋を弛緩させる(緩める)という働きがあります。
これを利用することでPNFストレッチで筋の柔軟性を獲得できるのです。
特徴
PNFストレッチは静的ストレッチなどと異なり、筋の柔軟性獲得と同時にその可動域での筋発揮様式(力の入れ方)を体に覚えさせることができる(神経系のトレーニングになる)という特徴があります。
このためウォーミングアップとしてだけでなく、リハビリの一環としても利用できます。
PNF自体が 元はリハビリ現場で考案されたものです。
現在ではスポーツ現場でも多く利用されています。
一般の方が用いるのも十分効果的です。
まとめ
今回はストレッチについて書きました。
何気なく行っているストレッチですが、いろいろな方法があります。
目的にあわせて使い分けてみましょう。
結論
94年生まれがストレッチで思い出すのはストレッチマン。